葛 ポーチ

ひかえめな光沢が涼やかな、葛（くず）糸のメッシュポーチ。生成は無染色、墨黒は泥で染色しています。

鍵やカードをまとめたり、化粧ポーチとしても。

ラオスでは、水に強くて丈夫な葛の特性を生かして、魚を捕るための網として、また荷物や建材を運ぶ袋として、生活に根付いた用具に利用されていました。

葛はとても生命力が高く、どこにでも生えている植物。そこから繊維を取り出して糸を紡ぐのもすべてが手作業で、科と同じように大変な手間と時間がかかります。そうしてできあがった糸を、女性たちは棒編みでひとつひとつ編み上げます。

ラオス全土で作られている綿とは違って、葛の手仕事は、北部の限られた村だけで代々受け継がれてきました。今では、この編み立ての技術を応用して、バッグや服飾雑貨を中心に生産しています。急速な発展のなかで形を変えながらも、伝統を次の世代に伝えています。

CREOLE

テキスタイルデザイナーの米澤里絵さんは、2013年にCREOLEの活動をはじめました。米澤さんが企画し、ラオスとその近隣国の職人や民族の女性たちと製作しています。

おおきな発展のなかにあるラオスでは、消えてゆく手仕事もあれば、姿を変えて受け継がれているものもあります。古くから伝わる、貴重な手仕事がいつまでも残るようにと、継続的な関係を築きながらものづくりを続けています。

ラオスで日常的に使われているものや、米澤さんが村の女性たちとともに一から作り上げた新しいもの。どちらも、おだやかな生活のリズムから生まれる、プリミティブな美しさが魅力です。